公開日:2024.09.27 更新日:2024.09.27
脂漏性脱毛症になったらどうする?原因と対策を徹底解説
毎日シャンプーをしているのに、頭皮のかゆみやべたつき、抜け毛が気になる方もいるのではないでしょうか。頭皮がべたつき、毛髪が抜ける原因の一つに脂漏性脱毛症があります。
これは、皮脂の過剰分泌による炎症が脱毛を引き起こすものです。 この記事では、脂漏性脱毛症の原因や症状、さらにその対策についても詳しく解説します。
Contents
脂漏性脱毛症って何?
脂漏性脱毛症は、頭皮に脂漏性皮膚炎が生じて起こる脱毛症の一つです。 脂漏性皮膚炎は、皮脂が過剰に分泌されることで頭皮に炎症を引き起こす皮膚炎です。脂漏性皮膚炎になると頭皮環境が悪化し、毛穴が詰まりやすくなるため脱毛が進行します。 症状としては頭皮のべたつきやフケ、かゆみ、炎症を引き起こすことが多く、特に思春期以降に現れやすい症状です。
また高温多湿の夏の時期に、症状が悪化することもあるといわれています。 脂漏性脱毛症は健康保険の適応になります。 慢性化することもあるため、早めに保険医療機関を受診し、原因となる生活習慣やヘアケアの改善を心掛けることが重要です。
脂漏性脱毛症とAGAの違い
脂漏性脱毛症とAGA(男性型脱毛症)は、抜け毛を引き起こす点では似ていますが、脱毛に至る原因が根本的に異なります。 脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌による脂漏性皮膚炎が原因となり、頭皮環境が悪化して抜け毛が進行します。
一方、AGAは遺伝や男性ホルモン、特にDHT(ジヒドロテストステロン)の影響でヘアサイクルが乱れ、主に生え際や後頭部の毛が薄くなることが特徴です。 症状の違いとして、脂漏性脱毛症は比較的長い毛が炎症を起こしている部分から抜けるのに対し、AGAは毛が十分に成長せず、太く長く育つ前に抜けてしまうことが挙げられます。
ただし、脂漏性脱毛症とAGAは原因が異なるとはいえ、皮脂の過剰分泌を引き起こす生活習慣やヘアケアはAGA併発のリスクを高めるともいわれています。気になる症状がある場合は日々の生活を見直すことが大切です。
脂漏性脱毛症の症状3選
脂漏性脱毛症の症状は、脱毛以外に主に以下3つの症状を引き起こします。 下記でそれぞれ詳しく解説するので、該当する症状がないか確認しましょう。
頭皮のべたつき
脂漏性脱毛症の症状として、頭皮のべたつきが挙げられます。髪の根元に近い部分でべたつきを感じることが多いですが、症状が悪化すると髪全体にべたつきを感じることもあります。
また、枕カバーが黄色くなったりニオイが気になりだしたりすることも特徴です。特に梅雨や夏の湿気が多い時期に、症状が起こりやすいといわれています。
フケの増加
脂漏性脱毛症の症状として、フケの増加が挙げられます。脂漏性脱毛症のフケは、一般的な白く乾燥したものとは異なり、黄色味を帯びてべたつきがあるのが特徴です。シャンプーをしっかりしているにもかかわらず、大量の湿ったフケが見られる場合は、脂漏性脱毛症の可能性を考えてみましょう。
なお、過度なシャンプーは頭皮を乾燥させ、皮脂の分泌を促進させる可能性があります。症状を悪化させる原因にもなるので、シャンプーのし過ぎには注意が必要です。
かゆみや炎症
かゆみや赤み、ニキビ、湿疹などの炎症が発生しやすいことも脂漏性脱毛症の特徴です。 かゆみや赤みは皮脂腺が発達している生え際や眉間に現れやすく、頭皮だけでなく鼻の横や背中、脇の下、首の後ろなどに症状が出ることもあります。
また、過剰に分泌された皮脂がフケと混ざり合い毛穴を塞ぐと、ニキビや吹き出物ができやすくなります。 かゆみを感じたら自己判断せず、適切な診断を受けることが重要です。
脂漏性脱毛症の4つの原因
脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌や菌の繁殖などが原因となり発症します。主な4つの原因を下記で詳しく見ていきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、脂漏性脱毛症の原因となる皮脂の分泌を高めます。 特に男性ホルモンは皮脂の生成を促進する働きがありますが、男性ホルモンの過剰分泌は、ストレスや睡眠不足、加齢、遺伝などが主な要因です。 女性の場合は、排卵後に男性ホルモンに似た働きをする黄体ホルモンが優位になることで、皮脂分泌が増えることもあります。
また過度なストレスもホルモンバランスの乱れにつながります。仕事のストレスの他、生活環境の変化や妊娠・出産などでもストレスは発生するので、ストレスを感じたら適度に発散する工夫が必要です。
生活習慣の乱れ
脂漏性脱毛症の原因として、生活習慣の乱れが挙げられます。 過度なダイエットや脂質・糖質が多い偏った食事は、栄養不足の原因です。例えば、ファーストフードや揚げ物、お菓子、スイーツなどが該当します。
さらに、睡眠不足が続くと夜中に細胞分裂が正常に行われず、髪の成長に悪影響を及ぼすことも。肌のターンオーバーも乱れるため、皮脂が詰まる原因にもなります。 不規則な生活はホルモンバランスの乱れにもつながるので、生活習慣の乱れの改善は必要不可欠です。
間違ったヘアケア
間違ったヘアケアも脂漏性脱毛症の原因の一つです。 過度なシャンプーは必要な皮脂まで洗い流してしまうため、頭皮は必要な皮脂を補おうとより多くの皮脂を分泌するようになります。その結果、皮脂分泌が過剰になり、脂漏性皮膚炎を引き起こすことがあります。
また、シャンプーの種類にも注意が必要です。洗浄力の高いシャンプーや肌に合わないシャンプーを使用したり、一日に何度も髪を洗ったりすることは、頭皮に負担をかけるため控えましょう。 正しいヘアケアを行うことが、脂漏性脱毛症の改善につながります。
マラセチア菌
脂漏性脱毛症の原因の一つが、マラセチア菌というカビです。常に頭皮に存在する菌ですが、皮脂の分泌が増えると皮脂を餌にして繁殖しやすくなるといわれています。 先述したホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れなどで皮脂の分泌が増えると、マラセチア菌が繁殖し、頭皮の炎症を拡大します。
日常生活でできる脂漏性脱毛症の対策3選
脂漏性脱毛症の症状が見られたら、医療機関を受診するだけでなく日常生活の行動を見直すことも大切です。 下記で、日常生活でできる3つの対策をそれぞれ詳しく解説します。
食生活・睡眠不足を改善する
脂漏性脱毛症の対策には、食生活や睡眠不足の改善が欠かせません。できる限り外食やコンビニの食事は避け、栄養を意識した食事を心掛けることが重要です。 例えば、ビタミンB2には皮脂の代謝を助け、ビタミンB6にはホルモンバランスを整える働きがあります。さらに髪のもととなるタンパク質も積極的に取り入れると良いでしょう。
また、睡眠中は髪の成長に不可欠な成長ホルモンが多く分泌され、肌のターンオーバーも促進されます。厚生労働省が推奨する睡眠時間は、成人で少なくとも6時間以上です(※)。しっかりと睡眠時間を確保して、体を休めることが大切です。 ※参考:厚生労働省.「健康づくりのための睡眠ガイド 2023(案)」.P11 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf ,(参照2024-08-30)
正しいヘアケアを心掛ける
脂漏性脱毛症の対策には、正しいヘアケアが重要です。 シャンプーが肌質に合っていなかったり洗浄力が高過ぎたりすると、過剰な皮脂が発生する可能性があります。毎日シャンプーをしているのにべたつきが気になる場合は、刺激の少ないシャンプーや薬用シャンプーに変えてみるのも良いでしょう。
髪を洗う際は頭皮を傷付けて症状を悪化させないよう、指の腹で優しく洗うことが大切です。シャンプー選びや洗い方に気を付け、正しいヘアケアを心掛けましょう。
ストレスを緩和させる
最後に、脂漏性脱毛症の対策には、ストレスを緩和させることが重要です。ストレスにより血行不良におちいると、頭皮に送られる栄養が不足し、頭皮環境が悪化します。
ストレスの原因が分かっている場合は、その原因から一定の距離を取ったり、好きなことをしてストレスを発散させたり、心のしっかり休ませたりすることも大切です。 ストレス発散は自律神経を整え、脂漏性脱毛症にも良い影響をもたらします。
脂漏性脱毛症と思ったら早めの受診を!
脂漏性脱毛症の原因の一つである皮脂の過剰分泌は、日常生活と密接に関わっています。生活習慣を整え、正しいヘアケアをしないと、AGAを併発するリスクが高まる可能性もあります。
かゆみやフケなどの症状が現れたら、悪化する前に早めに保険医療機関を受診しましょう。日常生活で自分でできる対策を講じることも大切です。
コラム
- 脂漏性脱毛症になったらどうする?原因と対策を徹底解説
- 毎日シャンプーをしているのに、頭皮のかゆみやべたつき、抜け毛が気になる方もいるのではないでしょうか。頭皮がべたつき、毛髪が抜ける原因の一つに脂漏性脱毛症がありま
- 髪の毛の玉結びって悪い影響あるの?仕組みや原因、対策方法を解説
- 髪の毛の玉結びとは、髪の毛が結び目をつくる現象のことです。「髪が絡まっているけど、これって玉結びのせい?」「玉結びを防ぐ方法を知りたい」と感じている方も多いので
- 薄毛の女性に似合う髪型は?薄毛を目立たなくするポイントやおすすめのヘアスタイルを解説
- 薄毛は男性だけのお悩みではありません。女性でも薄毛に悩む方は一定数います。「どうにかしてカバーしたい」と髪型を試行錯誤されている方もいるでしょう。前髪が薄い、分