グロースファクター再生療法とは
グロースファクター再生療法(ぐろーすふぁくたーさいせいりょうほう)とは、毛髪を成長させたり、毛髪の細胞を増やしたりする因子を頭皮に補うことで、AGA(男性型脱毛症)の改善を目指す治療法です。
グロースファクター再生療法は医療機関で行うことができます。
細胞成長因子と成長ホルモンについて
グロースファクター再生療法の仕組みを理解するには、細胞成長因子について知る必要があります。
人の体は細胞でできているので、人の成長とは、細胞の成長とみなすことができます。
細胞が成長できるのは、成長ホルモンが働いているからです。
成長ホルモンは脳の一部でつくられ、体内に供給されます。
細胞成長因子(グロースファクター)は、成長ホルモンを活性化させる効果があるので、「細胞を成長させる要因」と表記されます。
細胞成長因子はタンパク質でできていて、さまざまな種類があります。
ある細胞成長因子は皮膚の細胞に関与しますし、別の細胞成長因子は髪の毛の細胞に関与します。
細胞成長因子を直接頭皮に注入する
グロースファクター再生療法は、髪の毛の細胞にプラスに作用する細胞成長因子に注目した、AGA治療法です。
細胞成長因子は、加齢などの影響で減ってしまいます。
髪の毛に関与する細胞成長因子が減ると、AGAの発症につながると考えられます。
そこでグロースファクター再生療法では、痛みを減らす目的でつくられた極細の注射器を使って、細胞成長因子を直接頭皮に注入(メソセラピー)していきます。
5種類の細胞成長因子
グロースファクター再生療法で頭皮に注入する主な細胞成長因子は次の5種類です。
- ケラチノ細胞増殖因子(KGF)
- 肝細胞増殖因子(HGF)
- インスリン様成長因子(IGF-1)
- 線維芽細胞増殖因子(bFGF)
- 血管内皮細胞増殖因子(VEGF)
ケラチノ細胞増殖因子は、毛髪の形成に関与する成長因子で、グロースファクター再生療法では最も重要視されています。
これを補充することで発毛環境の改善が期待できます。
肝細胞増殖因子は、活動を休止してしまった細胞を活性化させることが期待できます。
インスリン様成長因子は、損傷した細胞の再生を助けたり、細胞の分裂を活発化させたりすることが期待できます。
髪の毛を太くする作用を指摘する専門家もいます。
線維芽細胞増殖因子は、血行の改善に関与するとされ、細胞に酸素と栄養を多く供給することが期待できます。
血管内皮細胞増殖因子も血行への関与が期待できます。
医療機関によっては、グロースファクター再生療法のプレミアム版として、KGFを増量することがあります。