育毛サプリメントは本当に効果がある？　おすすめ成分や注意点を解説

育毛サプリメントの多くは、髪を育てる上で必要な栄養や成分をバランスよく含んでいます。足りない栄養を手軽に補い、髪が育つ土台を整えるために使う分には効果的です。

しかし、サプリメントはあくまでも健康食品（※）のため、医薬品のように髪を生やす効果はありません。 よって育毛サプリメントのみで、薄毛の原因であるAGAなどの脱毛症を治すことは難しく、また、過剰摂取による副作用なども懸念されます。

本記事では、育毛サプリメントの効果とおすすめの成分、利用時の注意点、育毛で大切なことを解説します。

※参考：厚生労働省. 「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」P4. https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood_a.pdf,（2023-11-09）.

育毛サプリメントだけでは薄毛改善効果は期待できない

結論から言えば、育毛用のサプリメントだけでは薄毛の改善や発毛、髪を太くするなどの直接的な効果は期待できません。 前述のように、そもそもサプリメントとは健康食品に分類され、特定の成分を濃縮した錠剤やカプセルのことを指します。

不足しがちな栄養素の補充、健康増進、美容などが摂取の目的であり、薄毛の原因であるAGA（男性型脱毛症）のような症状または、病気の治すことを目的とした製品ではありません。

栄養補助が目的ならサプリメントは効果的

ただし、育毛サプリメントにまったく効果がない訳ではありません。髪を育てるためには健康的な生活習慣も重要で、さらに、髪の成長にはビタミン・ミネラル・たんぱく質などのバランスの取れた栄養素が不可欠です。

このため、食事だけでは不足しがちな栄養素を補う目的で活用するのであれば有用です。

育毛サプリメントに含まれる成分や効果を解説

育毛のためにサプリメントを選ぶときは、抜け毛予防や発毛の補助など、髪や頭皮に有効な成分が含まれているか確認しましょう。代表的な成分とその効果を解説します。

ビタミン

ビタミンとは人体の機能を正常に保つ上で必要な物質で、その多くは体内で合成できないため、食事で補う必要があります。（※）

例えば、以下のビタミンは頭皮環境を健やかに保つ効果が期待できます。とはいえ、効果を得るためには一種類に偏るのではなく、バランスのよい摂取が大切です。

• ビタミンA：皮膚や粘膜を健康に保つ
• ビタミンB群：代謝や細胞分裂を促進する
• ビタミンE：抗酸化作用や血行促進作用がある

※参考：厚生労働省. 「ビタミン｜e-ヘルスネット」. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html, （2019-06-12）.

ミネラル

酸素・炭素・水素・窒素以外の物質を総称してミネラル（または無機質）と言います。（※）

それぞれのミネラルは全身で作用しており、不足する成分によっても、歯がもろくなる、皮膚が荒れるなど、体に現れる影響が異なります。ミネラルの中でも、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛が不足しやすいため、意識して摂取するとよいでしょう。

※参考：厚生労働省. 「ミネラル｜e-ヘルスネット」. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-035.html, （2021-05-10）.

亜鉛

たんぱく質やDNAの合成、骨の成長、活性酸素の除去など、亜鉛は生体反応を行う上で欠かせないミネラルの一つです。髪の成長にも重要であり、亜鉛が不足すれば髪の元となる細胞の分裂が正常に行われなくなります。

なお、過剰摂取では貧血や毛髪異常などの悪影響が懸念されるため注意が必要です。

ノコギリヤシ

ノコギリヤシとは、北アメリカ南東部に生息するヤシ科の植物です。サプリメントとしては、濃縮したノコギリヤシの果実エキスを配合したものなどが流通しています。ノコギリヤシにはAGAの発症原因とされる5αリダクターゼ

を抑制する効果があるとされています。 また、男性機能に関する研究もあり、男性の健康維持を補助する効果が期待されている成分です。

大豆イソフラボン

大豆に含まれる成分、大豆イソフラボンには、AGAの発症と深く関係する酵素5αリダクターゼの生成を抑える働きがあると考えられています。また、男性更年期症状の一つである前立腺肥大の予防にも効果があると考えられ、研究が進んでいます。

育毛サプリメントを摂取するときの注意点

サプリメントは一日の摂取目安量を超えて飲んだからといって、よい効果が現れるものではありません。また、現在持病があったり、投薬治療を受けていたりするときは、事前に医師に確認の上、育毛サプリメントを摂取しましょう。

一日の摂取目安量を守る

鉄や亜鉛など、サプリメントの成分によっては過剰摂取により、かえって健康被害が現れるものがあります。そのため、一日の摂取目安量は守るようにしましょう。

また、マルチミネラルのように総合栄養タイプのサプリメントは個別栄養のサプリメントとの組み合わせにより、過剰摂取を起こす可能性があるため注意が必要です。

持病があるときは主治医に相談する

サプリメントと医薬品の組み合わせによっては、相互作用により医薬品の効果が増幅することがあります。そのため、持病があったり、投薬治療を受けていたりするときは、事前に主治医にサプリメントを摂取してよいか確認しましょう。

効果が現れるまでには時間がかかる

前述のように、サプリメントはあくまでも健康食品のため、医薬品とは異なり短期間で効果が現れるものではありません。まずは数カ月程度摂取し、体調や頭皮、髪質などによい影響があるか確認してみましょう。

副作用が現れたら摂取を中止する

サプリメントは食品に分類され、医薬品のような副作用が現れることは少ないとはいえ、ハーブを濃縮したサプリメントなどは頭痛や食欲不振などの症状が現れるケースもあります。摂取後に体調不良を感じたときはすぐに中断し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

危険な成分が含まれていないか確認する

海外から取り寄せた育毛サプリメントの中には、国内未承認の医薬品成分が含まれているものもあります。摂取する前に成分表示をよく確認し、分からない成分があれば飲むのを控えましょう。また、国内で販売しているのものであっても、怪しいサプリメントは飲まないことが大切です。

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サプリメント以外で育毛をサポートする方法

髪を育てるためには、規則正しい生活や頭皮ケアも大切です。また、AGAであれば早めのクリニック受診が、改善の上で特に役立ちます。ここでは、サプリメント以外で育毛をサポートする方法を解説します。

1. バランスのよい食事を心掛ける

1つ目は、バランスのよい食事を心掛けることです。 育毛サプリメントはあくまでも食事で足りない栄養を補うものです。主食・主菜・副菜を基本とし、バランスのよい食事を十分摂取した上でサプリメントを摂取するのが効果的でしょう。

2. 規則正しく生活する

2つ目は、規則正しい生活を送ることです。 生活習慣の乱れも薄毛の原因となります。十分な睡眠時間を確保する、運動習慣を身に付ける、ストレスは発散するなど健康的な生活を心掛けましょう。また、過度な飲酒や喫煙にも注意が必要です。

3. 頭皮をケアする

3つ目は、頭皮のケアを怠らないことです。 頭皮は皮脂の分泌量が多く、皮膚トラブルの発生しやすい部分です。肌質にあったシャンプーを選ぶことはもちろん、正しい方法でシャンプーして汚れや皮脂を残さないようにします。シャンプー後は、育毛剤を使い頭皮マッサージをしてもよいでしょう。

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4. AGAクリニックを受診する

上記3つの方法に加えて、AGAクリニックを受診してみることも大切です。 男性の薄毛の多くはAGAが原因です。AGAは、遺伝や生活習慣の乱れなどが要因とされ、徐々に進行していきます。

しかし、髪の毛の基となる細胞（毛包）が機能している段階であれば、投薬治療により改善の余地があります。薄毛や抜け毛が気になりだしたら、できるだけ早期にAGAクリニックを受診することが特に大切です。

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薄毛が気になるときはAGAクリニックも受診しよう

育毛サプリメントは育毛のサポートとして活用する分には効果的です。しかし、サプリメントだけで髪の毛が生えてきたり、抜け毛を防止できたりするものではありません。

特に、AGAが原因の薄毛や抜け毛であれば専用の治療薬があるため、早めにAGAクリニックを受診し治療を行う方が有効です。薄毛や抜け毛が気になりだしたら、医学的根拠のある治療も視野に入れましょう。